こんにちは、ふくのしまです。
タイトルの通りなのですが、最近は登録販売者としての仕事についてよく考えます。
きっかけは濫用のおそれのある成分の範囲拡大です。去年の4月から接客する機会が本当に増えたなぁと感じます。
医薬品の説明、注意喚起を毎日何度も行う日々が続いてます。登録販売者が活躍する機会が目に見えて増えていて、これは良い事だと思います。
しかし業務的には負担も増えています。別記事で触れてますが、休憩が取れない問題なども起きています。必ずしも良い事ばかりではありません。
どうしても仕事は大変な事に目が行きがちです。ポジティブな事よりもネガティブな事に気持ちが向いてしまうのは、人間ならば仕方ないことです。忙しい日が続き余裕の無い気持ちで働き続けていると、ついつい気持ちが滅入ってしまいます。
しかし毎日の仕事が、ネガティブに支配されてしまうのはとてもツライ事で虚しい事だな、と私は思います。
仕事が大変でつらくても、どこかに少しでもやりがいを感じる事ができれば頑張れるものです。
今回の記事では私の思う、登録販売者の仕事のやりがいについて触れていこうと思います。
登録販売者のやりがいとは?
では登録販売者の仕事のやりがいは何なのか。
私は、医薬品の適切な情報提供をしてお客様の健康な生活に関わらせて頂ける事だと思います。
その為に登録販売者は参考書を購入して勉強して、資格取得の試験を合格しています。それに試験合格後も、毎年決められた一定の時間は必ず医薬品に関する研修を受けています。
登録販売者はとにかく医薬品、健康に関する知識を学習して吸収し続けているのです。
何の為に?
それは勿論、お客様の相談に乗るためです。地域のお客様の健康に関する悩みを聞いて、少しでも解決に向かうお手伝いをする事。
これこそが登録販売者の仕事のやりがいかと思います。
登録販売者は誰でも取得可能な資格です。年齢も問いませんし、過去に何を学んでいたかも問いません。
医薬品に興味があり、誰かの健康をサポートする仕事がしたい。その想いがあれば資格取得をすれば誰でも、想いを実現できる可能性があるのです。
登録販売者の資格を取得している方は、個人差はあれども誰しもがお客様の健康に貢献したい、という気持ちがあるかと思います。
資格を取ろうと決めた際の気持ちを思い出してみてください。登録販売者のやりがいはお客様の健康に関する仕事だと考えて、一所懸命に勉強していたのではないでしょうか。
健康に深く関わる医薬品の一部を取り扱う事ができる資格、それが登録販売者です。
人の健康に直接的に関わる仕事は、他の仕事と比べてもそう多くはありません。
登録販売者のやりがいは接客
登録販売者のやりがいは、お客様の健康に関わる仕事だという事。もっと具体的に言えば接客をする事だと私は思っています。
学んだ知識を使用する機会は、お客様と直接お話する時でしょう。相談に乗る、登録販売者としての仕事で最も大きなウエイトを占めている部分です。
もちろん売場作りなども行う事もありますが、業務的には商品を並べたりする事は資格を所持していない方でも担当できます。しかし医薬品の接客は、法律的にも登録販売者だけしか行えません。
登録販売者のみに許された権利、つまり医薬品の接客こそが仕事のやりがいに該当するのかな、と個人的に思います。
日々の業務は作業量も多く忙しいです。品出しやレジも兼任しながら、医薬品の接客もする事になります。ついつい作業負担から接客に対してネガティブな気持ちを持ってしまう場面もあるかもしれません。
しかしそういう時こそ登録販売者としての仕事のやりがいを思い出して、お客様に温かい対応をしたいですね。
やりがいを深める為には深い知識が必要
やりがいを感じためには接客の成功体験を積み重ねる事が必要です。成功は人それぞれです。お客様が感謝してくれた、自分の知識を正しく伝える事ができた。自分で良かったと思えた接客を行えた際は是非自分を褒めてあげてほしいです。
やりがいを感じる機会を増やすため為に成功体験を重ねる。そしてその為には、より深い登録販売者としての知識が必要になると私は思うんですよね。
お客様に感謝されるという事は、お客様のお役に立てたアドバイスをできたという事です。十人十色の悩みを抱えたお客様がいらっしゃいます。悩みの深刻度も人それぞれです。
ひとりひとりの相談に合わせたアドバイスをする為には、より深い知識が必要ではないでしょうか。
風邪を引いたお客様がいたとします。本当に人それぞれの症状がありますよね。
- 頭が痛くて、鼻水が出る
- 鼻水と咳が出る
- 喉が痛い
- 風邪の治りかけで咳だけ残った
- 常備薬として家族で飲める薬が欲しい
- 風邪で辛いがこれから仕事があって休めない
それぞれお薦めする商品が変わってきますよね。
複数の選択肢を持つ為には医薬品の知識が欠かせません。同じ風邪薬でも成分は細かく違っています。成分的に考えれば、風邪薬ではなくて鼻炎薬や解熱鎮痛剤の方が優れている場合だってあります。
知識がないとお客様に提案する選択肢が増えません。1つずつ成分比較できれば、お客様からのお悩み相談が詳細であるほどに提案の幅も広がりますね。
きちんとした説明の上でお客様に合った提案ができれば、お客様にも喜んでもらえるはずです。それを成功体験として積み上げていけます。
深い知識は自信にも繋がる
知識を深めるメリットはもう一つあります。お客様の相談に乗る際に、提案する内容に説得力が生まれるという事です。
説得力があるという事は、お客様にも納得してもらいやすくなり、成功体験に繋がりやすくやりがいを感じる事に繋がるという事です。
絶対的な知識があれば自信を持って話す事ができます。お客様はそういった雰囲気を感じとります。そうすれば話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
自信満々に話すためには、医薬品について詳しく知っている必要があるという事です。知識が浅いと色々心配になってしまってうまく言葉が出てきませんよね。
また深い知識がより役に立つと思う場面が私はあります。お客様にお断りを伝える時です。
医薬品関連の接客でお客様の要望に応える医薬品接客の大変な所は、お客様の要望だとしても状況によっては「ノー!」と言わなければならない所です。
薬の飲み合わせが悪い、持病との相性が悪い、濫用のおそれがある、症状と商品の選択が全く合っていない、など様々な場面でお客様にお断りをする場面があります。
接客業であるからこそお客様にお断りをお伝えする事は心苦しいものです。しかし絶対的な自信を持った知識があれば、お断りをする勇気が出ます。
服用しない方が良い理由を知識から幾つも見つけ出し、自信を持って「ノー!」と言えます。
知識の深さは登録販売者としての力量にも直結します。資格取得後も勉強し続ける事には大きな意味があります。
医薬品知識と商品知識
登録販売者としてやりがいを感じる為には医薬品に関する深い知識が重要であると述べました。
登録販売者の参考書等で医薬品の成分知識を頭に入れる事はかなり大事です。そしてそれと同じくらい大事なのは商品知識です。
資格取得したばかりの登録販売者によくある事が、成分知識は分かるがどの商品にその成分が入っているかが分からない、という事です。
風邪薬というカテゴリーひとつから考えても、各種商品は様々な成分がそれぞれ配合されています。
喉の痛みが強い風邪の場合は、鎮痛成分だけでなくトラネキサム酸など消炎成分が配合されていた方がより効果を感じやすいです。
総合感冒薬、いわゆる市販の風邪薬には解熱鎮痛成分は必ず配合されています。しかし消炎成分は商品によって入ってたり、入ってなかったりします。
また症状が喉の痛みだけの時は、あえて風邪薬を飲む必要が無い場合もあります。風邪の引き始めならば葛根湯だけでも良いかもしれません。
もしロキソニンやバファリンなどの痛み止めを普段から持ってる方には、メインが消炎成分だけ配合された商品があります。痛み止めと消炎、これだけで喉だけであれば良くなる場合もあります。
このように商品情報がどれだけ頭に入っているかによって、お客様対応のスムーズさが変わってくるのではないでしょうか。
どういった商品があるのか、どの商品は組み合わせて服用できるか、商品単品の知識量も接客においては大切なポイントとなります。
幅広い知識があると尚良い
知識の深さはとにかく大事ですが、さらに登録販売者として高い力量を求めるならば知識の幅を広める事も大切です。具体的に医薬品周りに関連する知識です。
ドラッグストアは様々な商品カテゴリーで構成されています。医薬品だけでなく化粧品、日用品、食品など幅広い商品があります。
お客様から相談を受ける中で、医薬品のカテゴリー以外でも健康に関する提案ができたら良いね、という事です。
また風邪を例に出してみます。いわゆる一般的な風邪というのは、体の中(喉など上気道と呼ばれる部分)にウイルスや細菌が入り、感染症を起こした状態の事を指します。
普段から風邪を引きづらい状態にする、つまり健康管理をする事によって風邪を引く確率を減らす事ができます。
マスクなどでウイルスや細菌などを防ぐ事はもちろん有効です。細めなうがいも有効で、外出してる際は喉スプレーも大変役に立ちます。喉にウイルス、細菌を入れない、入ってもやっつける。この辺りは医薬品以外のアドバイスとして思いつきやすいですよね。
風邪を引くという事は、細胞がウイルスや細菌に負けてしまう状態とも言えます。では普段から免疫力を高い状態にしておけば、風邪も多少は引きづらくなるのではないでしょうか。
免疫力を高める為の商品、だと思い付かない場合は逆に考えてみましょう。免疫力を下げてしまう要因は何でしょうか。
過労、食生活、ストレス、睡眠の乱れ。かなり色々と要因はありますよね。これだけ出てくれば関連する商品が幾つか出てくるのではないでしょうか。
こういった状態の方はもしかしたら肌荒れ等のトラブルも起きてるかもしれません。何となく化粧品分野にも話が繋がりそうな気がしてきますね。
知識を支える傾聴の意識
実際のところ、ここまで様々な悩みを深く広く相談される場合はそう多くないです。風邪の症状だけ相談されて終わる事の方が多いです。
お客様の方から一から百までの情報を話してくれる事はそうそうありません。だから登録販売者は医薬品を勧める為の情報を得るために色々と質問を行うわけですね。
お客様からの答えの中で、生活習慣に関する悩みや愚痴などがポロっと出る時。登録販売者の知識の深さだけでなく知識の広さが活かせるチャンスになるかもしれません。
医薬品の接客の為、そしてプラスワンの提案をする為にもお客様の情報は欠かせません。情報を得るためには、お客様と会話をして話をして頂かなければなりません。
これは私個人の考えですが、同じ登録販売者でもお客様の話をしっかり聞ける方の方が色々相談されやすい気がします。
まずはお客様の話をしっかり聞くという事が大事です。こんな基本的な事ですが、意外と出来てない場面があったりします。
原因はドラッグストアの仕事内容にあるかと思います。ドラッグストアの業務ってマルチタスクを強いられる事が多いんですよね。レジを気にしつつ品出しとか、接客が同時に発生してしまったりとか。
一つだけの業務を集中して取り組むって事はなかなか無いですね。何かしら2つ、3つの事を気にしながら作業してます。
お客様の相談を受けた瞬間に、自分が担当してる別業務も同時に発生する事もあるわけです。
接客も大事だけど…あっちの業務は今は自分が行けないけど大丈夫かな?というように気が散ってしまってる事が、私もあります。
お客様の話をちゃんと聞く、簡単な事ですが意外と難しいです。シフト勤務だからマルチタスクは仕方ないですが、話を聞くという気持ちはしっかり意識して売場に立ちたいですね。
最後に
登録販売者の業務負担は確実に増していて、毎日大変なシフトで働いている方は少なくないと思います。
そういう時こそ初心に帰って、登録販売者の仕事に自分なりに向き合う事が必要だと思います。
接客する機会は確実に増えています。何度も売場をダッシュで行ったり来たりは体力的にも疲れます。
しかしやはり人に感謝される事は嬉しいもので、接客してお客様に喜んで頂けるとモチベーションになります。
接客の為に医薬品の勉強をする事そのものもモチベーションを高めます。新しい知識を得る事って楽しいですからね。
登録販売者の仕事とは何なのか、仕事に対してどう取り組むのか、これからどうしていくのか。
一度よく考えてみると、毎日の仕事に対する気持ちがまた変わってくるかもしれません。
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