ドラッグストアの店長を経験してストレスを感じる瞬間【個人談】

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こんにちは、夫婦揃ってドラッグストア共働きのふくのしまです。

今回の記事は私の店長時代の経験について書きます。

私は現在は店長職は降りて副店長のポジションで仕事をしています。店長はやりがいも多いですが負担も大きな役職です。

やりがいと負担を比較してみて、私は負担の方が大きかったので降りさせて頂きました。

私の場合は店長時代はとにかくストレスを感じる事が多かったです。その積み重ねが負担となっていました。

特にストレスを感じる瞬間を3つ厳選してお伝えします。

店長という仕事に対する考え方のひとつとして最後まで読んで頂けると嬉しいです。

すでに店長になっていて今まさに悩んでる方にも参考にして頂きたいです。

会社の方針に納得できない時

時には会社からの指示に納得がいかない時もあります。

例えば私の場合、ちょうど店長を降りる時期の1年ほど前から人件費を削減するように会社の方針が大きく変わっていました。

私の勤めている会社は他のドラッグストアよりも残業が比較的多いとされていて、私からすると人件費の削減という方針自体は納得できるものでした。

しかし人件費を削減する為に行った会社の施策には到底納得できませんでした。

私の会社では各店の店長達が集まって本部の上長から会社の方針を聞く会議のようなものが定期的にありました。

とある会議の事です。

上司「私たちの会社は同業他社よりも人件費が高い傾向があります。」

上司「今期からはかなり厳しく見ていこうと思ってます。」

ここまでは私も納得できるものでした。

上司「差し当たって各店には1日あたりに使用できる人員を定めさせて頂きます。」

上司「まずは店舗で一律マイナス〇〇人分の作業時間を削減してください。」

私「?」

人件費を減らしたい、それは分かります。しかしどの店舗も同じように人員を減らしてシフトを組む?

店舗は売場面積も様々ですし、売上もピンキリです。売上が高くて面積の大きい店舗や、面積は小さいけど売上が高い店舗もあります。

売場面積が広い店舗はそれだけである程度の作業人員が必要になります。さらに売上が高い店舗にはお客様対応の為により人員が必要となります。

ならば売上が低い店舗で面積が狭い店の人員を絞れば良いんじゃないか?と思うかもしれませんがそれは違います。

なぜなら売場面積が狭い店舗は売上に合わせて人員が既にギリギリになっている事が多いからです。

そういった店舗から更に人員を割いてしまうと店舗運営に支障が出ます。

人件費をいち早く削りたい会社の意図は理解できるのですが、その為の手段があまりにも強引だと私は感じました。

私の店舗も作業人員を削減する事になりました。使用が許された限られた人員をどこに使うか、もはやただシフトというパズルを組み立てている気分でした。

当然従業員達からも「大変だ」という不満の声が上がります。しかし会社の方針なので変える事はできません。

私にできる事は説得する事くらいでした。しかし私自身も納得しているわけではありません。

会社の理不尽とも感じられる指示でも達成して会社に評価されたい!というような強い気持ちは私にはありませんでした。

おそらく「会社に評価されたい」という欲求が低い事が今回の件でストレスになっていたのだと思います。理不尽とも思える事を、会社に評価されるチャンスと考えることができませんでした。

店長は会社の為に貢献する事を求められています。私はドラッグストアの仕事は好きです。しかし会社に貢献したいという意識は薄かったのかもしれません。

店長として会社の方針に合わせようとすればするほどストレスが溜まる、達成感よりも負の感情が湧いてくる。

そんな負の連鎖に陥ってしまいました。

従業員、会社の板挟みになった時

店長は中間管理職という名の通り、人との板挟み合う事が良くあります。

店舗で働く従業員同士が対立する事も頻繁に起こります。会社指示と店舗従業員が対立する事もよく発生します。

そういった時に間に割って入る存在が店長です。私はこの板挟み状態がとにかくストレスでした。

私は幼少時代から不思議と他人の気持ちを察する能力が非常に高かったです。「共感力」と言うとイメージが湧きやすいでしょうか。

何となく店舗の雰囲気が重たいとか、今は皆んなが良い状態で働いてる、というの事も直感的に空気感で分かります。

「なんか店の空気が変だな…」

と感じた時は従業員をひとりひとり観察してみると、ある従業員がモヤモヤした状態で働いてるのが見た感じで分かります。

この能力自体はすごく役に立つもので、相談事をされる際には重宝しています。

しかし人同士の板挟みに合っている時は私を苦しめる能力に変わります。

Aさん「Bが全然品出しをしない!私ばかり体力仕事をしている!」

Bさん「とにかく接客が1番優先だよね。Aさんはレジが混んでもあまり接客しにこない…。」

Aさんは作業効率を重視しています。品出しが終わらないと商品が売場に並ばず結局お客様に迷惑をかけます。しかし品出しに必死すぎてお客様にぶっきらぼうな態度の時もあります。

Bさんは目の前の接客が第一です。これも必要な考え方です。ただ接客に備え過ぎて品出しに消極的と思われても仕方ない部分もあります。

このような2人の板挟みに合うと本当に苦しかったです。私には2人の言い分、感情がよくわかります。

それぞれが必要な事です。2人が相反する価値観を持っています。だからこそ2人が納得できる妥協点を模索します。

そして時間をかけて分かってもらえるまで説明します。

正直なところ、例で挙げたような2人の対立は全然軽いものです。

もっとややこしくなると複数人と複数人の対立もあります。個人と複数人の対立も起こります。それぞれの言い分も私は自分事のように理解できます。

会社と従業員という構図の対立はしょっちゅう起こります。本部の意図や狙い、取り組みに懸けている信念のようなものも私は察する事ができます。

何かに取り組むと従業員の負担が増える事になりますので、従業員達の辛さもよく分かります。

対立した2つの集合体に対して現実的な案を提案していく事が私の仕事です。私にとっては決して苦手な事ではありません。

とはいえ毎日板挟みに合っていると流石に疲弊してきます。

本当に修復が難しいのではないかという重い状態。話を聞くだけで解決する比較的軽い対立。程度の違いはあれど何かしらは毎日のように起きます。

人に寄り添う事にエネルギーを使いすぎてしまい、自分のエネルギーが常に減り切っていました。

その状態での店長という仕事は相当なストレスを毎日感じていました。

仕事と休みのメリハリがつかない時

店長を任されている社員は休みの日に、何かしらの仕事をする機会が残念ながら増えます。これは仕方ない事だと個人的には思います。

何か店舗でトラブルがあった時は休みの日でも電話は携帯にバンバンきます。トラブルは色々な事があります。

店舗機材の故障などもそうですし、お客様の対応についても電話で質問がくることも多いです。特にお客様関連の問題の場合は対応が急ぎになります。

重要なクレームなどは休みでも店舗に向かわなければならない事も、時には発生します。

これらはどの店長でも起きてしまう可能性がある事です。しかし私の場合は店舗の急なトラブル以外にも休日に仕事の要素が入ってくる事がありました。

私が最後に店長として担当していた店舗はギリギリの人手で店舗運営をしていました。

決して暇な店ではなくて、客数も売上も右肩上がりに増加している店舗でした。

しかし利益率の低い食品などばかり売れる店舗で店舗の経常利益は常に黒字ギリギリでした。

人件費を使うと赤字になりかねない…業務は辛うじてまわせている。しかし従業員の負担もかなりかかっている。バランスがかなり難しい店舗でした。

私が一番困った事はシフトの欠員です。パート、アルバイトが休みをとる。人員が足りないまま営業する。

本当につらかったです。

欠員が無い状態でなんとか作業を終わらせる事ができるカツカツのシフトの為、1人の休みが致命傷でした。

1人分の作業が終わらず翌日に持ち越す。しかしシフトは常にギリギリ。持ち越した作業をリカバリーする事ができません。

やむを得ない事情があったとしても休む従業員に対して心の奥では非難する感情が生まれていました。

結局私は残業したり、時にはサービス残業をしたりもしました。また事務作業は家に持ち帰って行ったりもしていました。

時にはこういったガッツが必要な時期もあります。しかしこれが日常頻繁に発生するとストレスがとんでもない事になります。

私は引きこもり体質な所があります。休日は家にこもっているだけでも十分休んだ気になれます。

しかし家で仕事をしていた時は、気持ち的に全然休まってなかったのかと思います。

私は雇われ店長でした。どこかの経営者のような「仕事が人生!」というタイプではないです。休日は仕事をするべきではなくしっかり休んで仕事から離れるべきでした。

ストレスの発生頻度が高い

店長を経験していれば誰しもが大なり小なりのストレスはあります。

問題はストレスの負荷が強いか弱いか、そしてストレスを感じる時間が長いか一瞬なのか、という所だと思います。

私の場合は性格的にも自分自身が納得いかない事を従業員達にやらせる事は強いストレスでした。

家に持ち帰っての事務作業も大変なストレスでしたね。

従業員や会社の板挟みは私にとってそれほど強いストレスではなかったのですが頻度があまりにも高すぎました。

私は店長時代は日頃は小さなストレスが頻繁していて、状況によって大きなストレスがかかる毎日を過ごしていた事になります。

こんな毎日だんだんと疲れてきますよね。

私はある時に考えました。

「今まではこんなにストレス感じた事なかったのになぁ。なんで店長になってからこんなにつらいんだろう。」

そして1つの結論に辿り着きました。

適性のある役職は人それぞれ異なる

店長は本部と店舗の橋渡し役の役割があります。私は本部に対して納得できないと感じる事が多かったです。

自分が納得していない事を店舗に広める事に抵抗が強かったのです。

中間管理職の板挟みに合う立場でも円滑に人間関係は築く事はできました。ただ神経はかなり使っていました。

人の気持ちが分かるからこそ、従業員への対応はかなり慎重に行なっていました。かなりエネルギーを使う事でした。

副店長時代は休みの日に1人きりの時間を作って回復するようにしていました。しかし店長になってからは休みの日に回復時間が十分に取れていませんでした。

これらの積み重ねによって徐々に私自身の体力的、精神的な疲労が溜まり続けていました。

色々リフレッシュの仕方を考えてもどうしてもうまくいきませんでした。そして最終的に私はある考えに至りました。

考え出した結論「店長という役職が自分には合っていない」です。

店長になってからも仕事の本質は変わりません。しかし実際のところは仕事内容はかなり変わり管理業務がメインになります。

従業員を管理して結果を出して会社に認められる。

イマイチ私にはピンときませんでした。

逆に副店長の頃は店長のサポート力を試される仕事内容で私の性格に合っていました。

店長の手の届かない所をカバーする。パートやアルバイトとも良好な関係を築いておいて店長の意見を通しやすくする。

意識してなかったけど自然にできていた事です。だからこそ副店長時代にはストレスがほぼ無かったのでしょう。

この事に気付いた私はすぐに上司に相談しました。そして「店長を降りたい」と自分の要望を伝えました。

【最後に】経験してみる事はオススメする。だが無理する事は薦めない。

いかがでしたでしょうか。

今回は私の店長時代にストレスだった事をまとめました。

人によってストレスに感じる事は異なります。私の体験談に同意できる方、全く共感できない方、受け取り方は様々だと思います。

私は店長という役職は一度は経験してみるべきだと考えています。実際に経験してみないと分からない事が多いからです。

店長になった瞬間から仕事に対する見方が180度変わります。この感覚は店長になれた人しか経験する事ができません。

そして店長として働くと仕事の経験値の溜まり方が桁違いに上がります。

売上の問題。人の問題。売場の問題。全て自分が主体で立ち向かう事になります。そこから得られる学びは店長でしか経験できません。

まだ店長を経験した事がない方は不安が大きい方も多いはずです。しかしそれでも店長になれるチャンスがある方はやってみるべきです。

その逆に「店長」という役職に拘りすぎる必要もない、という事も私はお伝えしたいです。

店長という役職に適性が無いと感じたのならば無理して続ける必要はありません。たまたま店長というポジションが合っていなかっただけです。

店長以外に向いている役職があるはずです。上司に相談してみましょう。「こんな事言っていいのかな」という遠慮は不要です。相談する事は我儘ではありません。

体力も精神もいたずらに消耗し続けるならば店長は降りた方が良いです。ドラッグストアで働く上では店長以外でもお客様、会社に貢献できるのです。

本当に辛いと感じている方は絶対に無理をしないでください。

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