登録販売者が休憩をとるために。愚痴を吐きつつ前向きに検討してみた。

こんにちは。今回はドラッグストアで勤務する登録販売者の休憩時間について考える雑記記事です。

現在の登録販売者の休憩時間の取りづらさについては以前の雑記記事で語ってます。

休憩時間に対して軽めの愚痴を吐いてるだけの記事です。笑

今回はその先の話をつらつらと愚痴を織り交ぜながら考えてみようと思います。

濫用のおそれのある医薬品の制度拡大の影響で、登録販売者は休憩が取りづらくなった事は事実です。

事実ですが、この制度自体は必要な事だと私は考えています。医薬品の過剰摂取によるオーバードーズは命の危険性もあります。

登録販売者が全ての医薬品濫用を防ぐ事はできませんが、それでもやらないよりやった方が医薬品過剰摂取を未然に防ぐ事には貢献できているはずです。

ただその代償として、登録販売者が働きづらくなる事はおかしいと思ってます。

どの仕事においても多少は良い部分、悪い部分はあります。それは当然です。

登録販売者にも大なり小なり働きづらさは昔からありましたが、私は今まではスルーできるレベルでした。今年からの法令の強化により、前々からのグレーゾーンであった働きづらさが一線を超えた、これが私の感覚です。

働きづらさには色々ありますが、今回の記事では働きづらさとは「休憩が取れない」事に絞ります。

そもそも「休憩」とは?

登録販売者の休憩時間の不満とは、私は休憩時間中にも当たり前のように医薬品接客を行わなければならない事だと思っています。

会社からは勿論そのような指示はされていません。「休憩時間でも接客しろ!」なんて、このご時世大変な事になります。

ではなぜ登録販売者の私は休憩時間でもお客様対応しているかというと、昔からそれが当たり前だったからです。

以前から咳止め薬の接客は必要でしたし、新店などまだ資格者の少ない店舗では結構休憩中でも呼ばれます。それはある程度仕方ない事だと私は思っています。

私はお客様に真心を込めた親切な医薬品接客をするために、資格を取得して店舗に立っています。少しばかりのイレギュラー対応は致しかねない、お客様のためだと考えて行動しています。

お客様の為に休憩中でも対応する。それは決して私だけでなく、ドラッグストア全体的に登録販売者はこういった働き方を昔から多少はしているのかなと思います。

以前はこの件数がそんなに多くなかった事がポイントですね。

今はこのイレギュラー対応がとにかく多い。休憩中断って通常であればかなり緊急事態だと思うんですよ。それが頻繁に起こる。とにかく頻度が多い。

今年はコロナだけでなく、インフルエンザやプール熱も流行りましたね。風邪っぽい症状が気になり市販薬を購入される方も多くなってるのではないでしょうか。

そうなると登録販売者の活躍の機会が増えます。これ自体は喜ばしい事だと思っています。ただ休憩中にも同じように仕事をしなくてはならないのがつらい。

毎回何度も休憩中断が発生する、は違くないか?そう思ってしまうのです。

私は休憩時間は事務所にこもります。医薬品対応で呼ばれるので、常に近くに制服を準備しておきます。呼ばれた際には即着替えてダッシュで売場に向かいます。

食事はサッと食べられる物で済ませてます。いつ中断が入るかわからない。私の性格的に気持ちが落ち着かなくて、しっかりした物を食べようって気が起きないんですよね。

汁物はもうこわくて無理です。対応が長引いて麺がふやけまくって捨てた思い出があります笑

気にしいな性格なので、お手洗いに行く際もかなり気を使います。店内の空いてるタイミングで行くようにしてます。トイレでは呼ばれても気付かないから。

常に電話番をしている感覚です。接客が発生するかもしれない、しないかもしれない。しかし備えて常にスタンバイしていなければならない。まずこれを休憩って言えるのか、と常々感じています。

常に、そして継続する資格者1人体制

冷静な見方、少し冷めた他人目線で語れば休憩中断って時間で考えれば数分かからないんです。早い場合は1分かからない。

中断する時間を数値だけで見れば、経験した事ない方は「大した事ない」と思うかもしれません。

ただこの状態が数ヶ月と続いて、改善される見込みも無いとなると気持ちが変わってきます。

私も4月に入ったばかりの頃は、常に気を張っていてテンションで乗り切っていました。

でもやはりだんだん疲れてくる。気を抜く時間を作れず仕事を1日ずっと続けると疲れる。延々と続く大変さは、徐々に確実に精神的に負担になってきます。

登録販売者はドラッグストアの中でも中心となる存在の1つです。故に責任者を任されている場合も多いです。医薬品対応だけでなくトラブル対応やイレギュラーなお客様対応もする機会が増えます。

つまり休憩中に中断される可能性がさらに高まるわけです。中断される状態が延々と続くと、休憩時間への不満が溜まり、今は休憩する時間になると私は胃がムカムカします。多分ストレスを感じているんでしょう。

精神的なストレスはもちろんありますが、自由な時間が無いというのは色々とキツイです。

例えば体調があまり優れない時です。何となく体調が優れなく体が怠い、眠いなぁという時って誰でもあると思います。

そういう時に休憩がしっかり取れると色々と助かるんですよね。「10分で軽くご飯食べて、あとは仮眠でも取ろうかな…」と、少し寝るだけでもリフレッシュできますよね。

いつ呼ばれるかわからないから、こういう事が満足にできない。ウトウトしようが爆睡してようが、お客様対応が発生すれば容赦なく叩き起こされます。

別に呼びに来る従業員の方は全く悪くないんですけどね。制度に従っているだけなので。仕方ない事です。

ただ、何故登録販売者だけこういう扱いなのか、という不満は持たざるを得ないです。誰が悪いわけではないけど、どうしてもそう思ってしまいます。

資格持ってない方が休憩中にウトウトしてたら起こしたりしないです。というより休憩中の人に何か頼んだり期待したりをしないですね。だって休んでるんですから。

なぜ登録販売者は休憩中でも当たり前に仕事を振られるのか、それが当たり前の雰囲気なのか、という点は業界全体で一度疑問に思って欲しいです。

どうすれば休憩時間を確保できるか

ここからは問題をどうすれば解決できるかを考えます。後ろ向きな考え方はいくらでもできます。しかしそれでは現状は一向に良くならない。

まず休憩時間についてですが、登録販売者も一般従業員と同じように休憩中断される事なく制限なく自由に休める状況、これを良しとします。

…それが当たり前なんだ、と書いていて自分でツッコミたくなります。

現実的に可能、不可能は置いといてどうすれば休憩をまともに取れるか、幾つか私の考えを挙げます。

「それができたら解決してるよ!」と自分でも思いますが、最後にこれらを踏まえた私の考えを述べます。それまでの前置きだと思ってお付き合い下さい。

資格者の勤務時間を被らせる

何となくできそうな案からです。一つの店舗に登録販売者は複数名さすがに勤務している筈です。

早番、遅番で1日2人の登録販売者が勤務しているなら、それぞれの勤務時間をうまく被せて休憩時間をお互いに確保できます。できればお互い責任者として対応できた方がより良いですね。

1日実働を8時間と仮定すれば、9-18勤務と14-23勤務の登録販売者のシフトが被れば、早番は14時から、遅番は17時から休憩が取れそうです。いくらか現実味があります。

少し休憩を取る時間が偏ってしまうのは仕方ないかな、と思います。小売業だと登録販売者問題など関係なくシフト制ゆえに発生する事です。

ただこの案にも問題もあります。営業時間が長い場合です。

朝の8時開店、夜24時閉店とかの店舗だと難しいです。8-17と15-24で登録販売者が被るので、早番は15時から遅番は16時からの何とも偏った休憩の取り方になります。

店舗によっては開店準備や締め作業の為に、開店より早く勤務を始めたり、閉店後に作業したりする場合もあるでしょう。登録販売者は責任者として店舗に立つ方も多いですからね。

そうなると登録販売者同士が被る時間はより短くなります。より偏った休憩時間や、下手したら登録販売者同士がシフトほぼ被らない事も考えられます。

もう一つの問題点としては、登録販売者が1人で1日を通しで働く場合はこの方法は使えません。圧倒的な頭数不足ですね。

そもそも登録販売者が足りてれば通しでなんて働かないで済むわけですから。根本的な問題です。

私も何度か通しで勤務した事ありますが、体力的に本当にツライです。店舗で15時間以上拘束されていて、ろくに休憩もとれないわけですからね。

こればかりは店舗内で協力したり、無理なら他店舗とも連携して、何がなんでも回避すべきと強く思います。

新規の登録販売者を増やす

今度は少し現実味の無い案です。しかしこれができれば休憩問題は解決できます。

頭数を増やすためには募集をかけて採用するか、既存の従業員が試験に合格するかのどちらかです。

ただこればかりは何とも言えません。運の要素が強すぎる。

まず求人の募集は完全に運です。そもそも登録販売者が急に募集してくる事なんて、通常でも滅多にありません。

幸運にも求人があったとして、店舗で採用できる条件と、求人の方の勤務希望がマッチしていないといけません。

店はたくさん働いて欲しい、けれど応募者は短く働きたい。そんなミスマッチはよく起こります。人柄も経歴も問題なのに1番大事な勤務希望が合わない…歯痒い事態はよく起こるものです。

では既存の従業員から試験の合格者を出して資格者を生み出したいところですが、これも思った通りにはいかないです。

まず登録販売者試験を受験する人が店舗にいるかどうかです。誰でも受けられる資格ですが、誰にも強制することはできません。

医薬品の知識は別に無くても良い、これ以上の業務を増やしたくない、色々な考え方があるかと思います。誰も資格試験の受験は強制できません。

費用だってかかります。試験は受けるだけでも15,000円弱かかりますし。勉強の教材費も安くはありませんからね。

また試験も年々難しくなっています。登録販売者試験に合格するためには、しっかりとした準備が必要だと私は思っています。

結局は試験は暗記勝負なのですが、範囲があまりにも広くて一夜漬けでどうにかなるレベルではないです。専門用語も多くて頭にも入りづらいです。

何年か試験を受けても不合格になってしまい諦めてしまう方もいるかもしれません。

各会社でも合格に向けてのサポートは色々していると思います。しかし最終的には受験する本人の努力次第、やる気次第なところがあります。

応援をもらう

全く現実味の無い案も出してみます。

どうしても登録販売者が足りない店舗は応援を他店からもらうという方法です。視野を広くして自店舗だけでなく、他店舗も踏まえてシフトを考えるという事です。

今まで登録販売者が足りない、足りないと伝え続けてますが、実は店舗格差があります。店によっては資格者が同時間帯で複数名勤務している店舗もあります。

こういった店舗は本当に凄い事だと思います。私も何度か資格者が潤沢な店舗で働いた事はあります。

資格者が沢山いる店舗から、少ない店舗に応援を出してもらったらどうか。という事なのですが、現実味がかなり無いです。というよりほぼ無理です。

応援を出す側のシフトを崩してはいけないという大前提があるからです。たしかに資格者は沢山いたとしても、どの店舗も従業員の頭数まで多いわけではありません。

登録販売者が3人同じ時間に働いてるが、シフト的はその3人体制でギリギリまわしてる店舗は応援なんて出せません。

では人数的な余裕があれば応援を出してもらえるか、と疑問が生まれます。私はたとえ人数が潤沢でも登録販売者の応援は中々もらえないと思っています。

資格者の応援はよほどの時でないと発生しないからです。ドラッグストアではそういう雰囲気が昔からあります。

よほどの時、というのは資格者不足で営業すらままならない時です。

コロナウイルスが流行した際に資格者がかかってしまった、または事情があってしばらく休職する場合などです。

登録販売者が長期間出勤できない、このままでは在籍している登録販売者が休みも取れない、このくらいの状況になってようやく登録販売者の応援のやり取りがされます。

逆に言えば、ここまでの危機的状況にならないと登録販売者の応援を出そう、もらおうという雰囲気にならないというわけです。

休憩取るために応援欲しい、では応援のやり取りの理由としては弱いのです。

1日だけとかなら貰えるかもしれません。しかし資格者が増えるまで延々と応援をもらえるわけがありません。

なので私は応援をもらう方法は1番現実的ではないと感じています。

そして私が最も主張したい事もここにあります。

ひとり登録販売者シフトにもっと過敏になりませんか?

最も言いたい事はこれです。

登録販売者が1人で勤務するシフトに関して違和感を持ちませんか?危機感を持ちませんか?

店舗環境は昔とは大きく変わってます。「とりあえず大丈夫」だった事が、もう通用しなくなってきています。

「登録販売者が1人いて営業できるからとりあえずOK」ではなく、「登録販売者が1人しかいないのはマズい」という意識に変えませんか?

現場勤務とそうでない部署で認識が大きくズレてきてるのではないか、とも感じます。もちろん会社全体で気にしてくれているのはわかります。

しかし会社が認識している登録販売者の休憩問題は、想定しているより現場では深刻な状況である、と私は思います。認識にズレがある気がします。

度を超えた残業時間が発生したとします。そうなった場合は会社側からすぐ連絡がきて改善を求められます。

月の休日日数が全然足りない状況が発生したとします。その場合もすぐ会社から連絡がきます。

では登録販売者が1人でシフトを回している状況に関してはどうでしょうか。特に連絡は来ません。

店舗の営業は問題なくできています。休憩中断と言っても数値のデータだけで見れば数分あるかないかの場合が多い。どこかで少し作業を止めれば休んだ事にできます。

殆どの登録販売者はこのような工夫をして、とりあえず所定の休憩時間を取った事にしています。だからデータ上では全く問題あるように見えないんですよね。

店舗毎に誰がどの時間に休憩入ってるかなんてさすがに全て把握する事はできません。データ上は大丈夫でも、実情は大丈夫じゃない状況が生まれても仕方ないと思います。

まず必要な事は、登録販売者が1人で勤務している時間が多いシフトを注視する事ではないかと思います。

営業時間中すべての時間で、登録販売者が必ず複数名勤務している必要は無いです。ただ休憩時間が人並みに取れるように2人被っていれば良いのです。

余談になってしまうかもしれませんが、この記事では休憩に関する事だけ述べています。ですがピークタイムに登録販売者が1人ってそもそも辛くないですか?

医薬品対応が同時に入ったり、責任者対応と医薬品対応が重なったり。シフトによっては自分がレジ打ちを行いながら医薬品対応もする事もあります。

私も登録販売者としての業務に、責任者としての対応、さらには店舗全体の仕事を同時に行う為、お客様を待たせてしまう事が結構あります。

接客は複数名を同時には対応できません。工夫のしようはありますが、それでも順番に対応することになります。どこかの対応が長引けばそれだけお客様をお待たせする事に繋がります。

円滑なシフト運営の為にも、登録販売者が1人で店を回す時間についてはもっと考えないといけないと思います。

現状のドラッグストア業界の認識としては、

「登録販売者が1人勤務していれば営業できるからOK」

これになると思います。まずはこの考えを見直さないといけないです。もし根底にある意識が変わってくれば、登録販売者のシフトに対する言動が変化すると思います。

「そっちの店は夕方登録販売者1人なの!?それヤバイって」「シフトなんとかやりくりして回避できないの?」

いきなりここまで大きな変化は起こせませんが、声をあげていけば少しずつでも業界の意識の変化は起きてくると信じています。

登録販売者の休憩時間についてはずっとグレーゾーンでしたが、いよいよ本気で見直す時が来たのだと私は思います。

私はいきなり全ての休憩時間が完全自由に取れるようになってほしい、なんて夢は見ていません。

今の私のように休憩時間中にほぼ必ず中断している資格者が、まずは週で1日でもしっかり休憩とれるようになれば良いなぁと思っているのです。

最後にもう一度触れておきますが、医薬品濫用は深刻な問題です。防がなければなりません。

年々オーバードーズの歯止めがきかなくなってます。精神的依存は終わりがありません。体に負担がかかり続けます。最悪死に至るケースも発生しかねません。医薬品は本来は生命を守るもの。私達はその医薬品の資格者です。

その為の制度拡大は必要な事で、登録販売者の活躍する機会が増える事は決して悪い事ではありません。

市販薬の正しい情報を伝える、本来の服用目的を伝える。登録販売者は責任感を持って臨むべき業務です。

また精神依存が強い商品ほど転売など、不正な販売ルートで高値で売られます。適正な販売がされないと需要供給のバランスが崩れます。本当に必要な方達にも行き届かなくなります。

販売する側も許可が必要な事を知らない方もいますね。個人での転売は医薬品に関してはアウトです。無知のままお小遣い稼ぎをしようとして犯罪者になってしまう方もいるかもしれません。(自業自得な部分もありますが)

それら様々な問題につながる医薬品濫用問題、登録販売者は社会的貢献度は高いかと思います。

登録販売者の負担は大きくなるのは仕方ない事ですが、休憩時間まで取れなくなる事はおかしい、これが私の主張です。

これを読んで頂いた資格者の方が、少しでも考えるきっかけになれば嬉しいです。

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