【薬剤師】ドラッグストア1日の調剤室の仕事の流れとは【正社員が解説】

ドラッグストア(薬剤師)

こんにちは。夫婦揃ってドラッグストア共働きのふくのしまです。

今回の記事ではドラッグストアの薬剤師の1日の仕事の流れを解説します。こちらのブログを何記事か読んで頂いている方にはお馴染みの、薬剤師の妻に私がインタビューして話をまとめる形式の記事です。

妻は新卒でドラッグストアに薬剤師として入社して、今現在も10年以上薬局で勤務を続けています。

物販側と違って薬局の営業時間は、ある程度どの店舗も似た営業時間になっています。

妻が現在勤務している薬局は10時開局、20時閉局です。これは平均的な薬局の営業時間と比較すると若干長いです。

妻のシフトは大体11時か12時頃に出社して、ラストの20時まで働く事が多いです。夜間に働ける薬剤師さんはパートでは中々見つからないので、正社員の宿命なのかもしれません。

今回の記事では以下を解説します。

  • 出勤してやること
  • 午前中の流れ
  • 昼間の流れ
  • 夕方以降の流れ

現役ドラッグストア薬剤師の話をもとに記事を作成していますので、ドラッグストア未経験の方にも参考になるかと思います。

正社員としての管理業務を含めた話になっています。ドラッグストアで働くイメージが持てるように解説させて頂きます。

出勤してやること

妻の場合は開局準備はパートさんや調剤事務に任せて、開局してから数時間後に出社する事がほとんどです。

出勤してから最初に行う事は「薬局の状況確認を行う」です。

薬局の混雑状況や、本部からの連絡によって1日の作業が大きく変わってきます。妻は最初にそこを見極めます。

メールチェック、本部指示の確認

会社から薬局には業務連絡が毎日届きます。緊急性の高いものから、そうではないものもあります。

連絡内容によってはすぐに行動計画を立てないとならない場合もあります。まずは薬局にどのような連絡がきているかの確認は社員であれば必須です。

「いざ調剤業務に入ってしまうと中々パソコンをチェックする余裕が無くなっちゃう。だから出勤して調剤業務に入る前に、必ず連絡事項は確認する。」

このように妻は言っていました。ついつい億劫になってしまったり、後回しになってしまう連絡事項の確認は、まず最初にやってしまった方が効率的ですね。

薬剤師として、というより社会人として共通している必要な考え方なのかもしれません。

混雑具合の確認

妻は連絡事項の確認と同時に、薬局の混雑具合も確認をするそうです。

「患者さんが何人くらい来局しているのか、現時点で何人の患者さんが待っているのか、まずはそれをチェックする。」

「なんとなく従業員の雰囲気でも忙しくて立て込んでるかはわかるけど、待ちの番号札だったり、薬の用意はどこまでできているかは確認するかなぁ…。」

薬局は開局と同時に患者様が一気に押し寄せる事もありますし、昨日の患者様の薬の用意を朝に行うケースもあります。

薬剤師の調剤業務は患者様に薬を渡して終わりではありません。

  1. 処方箋を受け取る
  2. 処方内容を確認して薬を用意する
  3. 薬が正しく用意できているか複数名で確認
  4. 患者に薬の説明をしてお渡しする
  5. 一連の流れを記録に残す(薬歴)

患者様が1人もいなくて暇そうに見えても、まだ薬歴の記入が終わってない場合もあるのです。一連の流れを記録に残して、ひとりの患者様の対応は完了となります。

また処方箋を渡していったん外出する患者様もいます。薬局に患者様が見当たらなくても、処方箋が山のように積み重なっている事もあります。

患者様の対応が何人完了しているのか、処方箋を受け付けている患者様は何人か、薬歴が滞っている従業員がいるようなら積極的に自分が業務を請け負う、そのような臨機応変に立ち回りが必要です。

その為にも、薬局全体の混雑具合を正しく把握する事は極めて重要です。

納品される薬の確認

患者様の混雑具合と同時に、薬の在庫の確認も必要となります。薬が少なくなってきたり、急遽必要な薬が発生した場合に発注は薬局で行います。

その為にも、薬局内の薬の在庫の把握と納品される薬の把握も重要です。

薬が不足した場合は新たに発注する必要がありますが、納品までには多少時間がかかります。患者様が急ぎ薬をお求めの場合は、近隣の薬局から薬をもらいに行く等の対応が必要になる場合もあります。

薬が届くまで待ってくれる患者様であれば問題ないのですが、万が一急いでいる患者様へのご案内を誤ってしまったりするとクレームに発展してしまう恐れもあります。

薬局内の在庫を把握して不足薬の対応はどうするのか、患者様に正しく説明できるかが重要です。

その為にも薬の在庫状況の把握も必須業務と言えます。

午前中の薬局の流れ

薬局には患者様が多く訪れるピークが午前中と午後にあります。午前中は病院やクリニックも診察が始まる時間帯で、処方箋が交付されてからすぐに薬局に持ってくる患者様が多いという事です。

多くの患者様が来局される時間帯になりますので、とにかく患者様の薬の準備が第一優先になります。

「ピッキングして監査して投薬する。この流れを薬局全体で作る事が大事。誰か1人でやるとかじゃなくて、薬剤師全員で手分けしてとにかくひたすらに繰り返す事だね。」

ピッキング

医薬品を処方箋の内容通りに準備して患者様にお渡しできる状態にする事

薬剤師の業務は患者様に薬を渡して終わりではありません。その後に薬歴という記録を残さねばなりません。

その為の時間を捻出する為にも、どれだけスムーズに薬をお渡しできるかは重要です。

「社員の場合は調剤業務だけでなく、シフト作ったり、本部の指示や提出物とか、色々やらないといけない業務が溜まってる事が多いんだよね…。」

「毎日薬歴を書き切れなくて次の日に残そうってのが続いちゃうと、隙間時間の余力が一切なくて本当に辛い。そうならない為にも1日の流れを作る午前中は大事だよ。」

患者様が集中したりしてやむを得ない日もあるが、午前中をいかにスムーズにまわせるかで1日を左右してしまう、それほど午前中は大事だと妻は教えてくれました。

昼の流れ

午前のラッシュが終わると、病院やクリニックも午前の診察がいったん終わり、薬局も少し落ち着いてきます。

患者様の来局は落ち着くのですが、そのタイミングに合わせて従業員達も順番にお昼休憩を取ったりします。

また社員であればこの時間に調剤業務とは別の作業を行ったりしますし、在宅業務を行っている薬局であれば施設分の薬の準備をするチャンスです。

「たしかに薬局の来局者も減るから落ち着く時間ではあるんだけど、休憩回したりして薬局の人数は減るから一人当たりの作業負担は増えるんだよ。」

シフト制ならではの悩みですね。ピーク時には人を多く、逆に薬局が空く時間は少ない人員でまわす。

患者数は少ない時間帯ですが、あっちこっちと忙しなく作業を続けるので、体感的には意外と大変に感じる時間です。

夕方以降の流れ

最大のピークである夕方以降は調剤業務に完全集中する時間となります。

病院、クリニックの午後診察の患者様や、夕方の買い物ついでに処方箋を持ってくる方などの来局がこの時間に重なります。

医薬品の在庫が少なくなってきたら翌日以降に備えて発注も行います。

また患者様に出した薬に間違いが無いかを、医薬品の在庫状況を照らし合わせながら確認したりもします。

患者様対応に集中しながらも、調剤業務に必要な事を気にしながら立ち回る事が重要です。

閉局時間が近づいたら薬局の清掃、そしてレジ精算等で1日の売上を確認して1日が終わります。

【最後に】薬剤師正社員は隙間時間の使い方が大切

いかがでしたでしょうか。

今回はドラッグストア薬剤師の1日の仕事の流れについて、妻の話を参考に記事を作らせて頂きました。

結局どの時間も何だかんだ忙しいんだなぁ、という印象を私は受けました。その事については妻も同意見でした。

「患者さんの処方箋が集中する時はどうしてもそっちに集中するしかないんだよね…。ドラッグストアはサービス業でもあるから、薬の待ち時間を減らす事もサービスの一環だから。」

どのドラッグストア企業でも接客サービスは最重要としています。それは薬局に関しても同じです。

待ち時間が少ない事もサービスとしては重要です。薬ができるまで1時間かかる薬局だと、患者様は不便に感じますよね。

しかし患者様対応だけを一生懸命やっていれば良いというわけでもないようです。妻は話します。

「目の前の患者様対応が第一なのは揺るがない事。けどそれだと、どうしても残業も多くなるんだよね。薬歴もそうだし、社員はそれ以外にもやらないといけない業務があるからね。」

「社員は薬局の利益も気にしないといけない。会社員の宿命だね。薬剤師は人件費も高くなるから、いかに残業を抑えるかは常に本部側からは言われるよ。」

患者様対応は第一優先、しかしそれ以外の業務も円滑に行い残業は極力減らす…相反する2つを同時にこなす事は難しく感じます。

しかし妻はこのように話します。

「たしかに難しい事なんだけど、患者さんが少ない時間帯をどう使うかによって、残業時間は大きく変わってくるよ。」

薬局は混んでいる時間帯がほとんどですが、急に患者様が減って、少し余裕が生まれる時間帯もあるそうです。

妻はその時間帯をチャンスと考え逃さないそうです。

隙間時間にやれる事
  • 書き切れてない薬歴の記入
  • 在宅の薬の準備
  • 本部からの連絡事項、メールチェック
  • シフト作成
  • 在庫の整理整頓

妻によると隙間時間には他にもやれる事は幾らでもあると言います。

「数分でもいいから業務を進めておけば、それが積み重なれば数時間分の業務量になる。意外とこの積み重ねをしない人って多いんだよ。」

たしかに薬歴に関して言えば、シフトのあがる直前に最後にまとめて全部の患者分の記入を行おうとする事って効率悪く思えます。

最初に投薬した内容ほど記憶が薄れていきますから、「思い出す」という時間がかかります。だったらまだ記憶が残ってるうちに、時間を見つけて書いた方が効率が良さそうですよね。

隙間時間の利用については、さらに妻から深掘りして後日別記事にしようかと思ってます。現役の薬剤師さんも参考になるかと思いますので。

今回の記事では、薬剤師さんの1日はかなり忙しいという事をお伝えさせて頂きました。

やりがいと捉えるか、大変だなと負担に感じるか、就職のひとつの判断材料にして頂ければ幸いです。

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