ドラッグストアは小売業です。会社の正社員、パート、アルバイトがひとつの店舗に所属して協力しながら仕事をしています。
顧客の視点からすればどの従業員も同じ制服を着て、同じような作業をしているように見えますね。
実際のところ業務に関してはそういった面もあります。作業内容はやり方さえ理解できればどの従業員も行うことができます。
私は現在ドラッグストアの店舗で勤務していますが、パート・アルバイトのみで1日営業する日もあります。今のパート・アルバイトの方は優秀で責任感がある方が多く、本当に私も毎日助けられています。
しかしある疑問が浮かんできます。これは私、ふくのしま自身も経験したことなのですが・・・
「正社員の仕事って本当は何なんだろう?」
私は今のドラッグストアは2社目になります。新卒で入社した会社、今の会社もそれぞれ最初の頃は研修はありました。
研修で会社の目指している姿、ビジョンについて説明はされるのですが正直あまりピンときませんでした。
これは私が自分が働く環境について深く構造的に理解できていなかった事が原因です。
おそらく転職を考えている方、特に未経験の方ほど正社員と、パート・アルバイトの仕事の違いについて疑問を抱かれている方が多いかと思います。
今回の記事では、正社員の仕事について構造的に解説致します。
私の記事では、ひとつの物事に対して深掘りを繰り返し行っていきます。深掘りすればするほど情報は本質的になっていきます。
本質的な情報はひとつ知っておけば様々な場面で応用が利きます。何かあった際に立ち戻るべき基礎となります。
ドラッグストアに就職する際も勿論ですが、就職した後も必ず役に立つ情報になっています。最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。
ドラッグストア正社員とパート・アルバイトの違い
まず正社員の仕事を知る上で、正社員とパート・アルバイトの違いから見ていきましょう。
それぞれの違いを確認することで、正社員にしかない側面を知ることができます。
結論から言うと、圧倒的に違うのは会社との雇用契約内容になります。
順を追って解説致します。
雇用契約が大きく異なる
正社員とパート・アルバイトでは業務面では共通している部分が多いのですが、契約内容に関しては大きく異なります。
その中でも特に異なる点は勤務時間に関するものです。
一般的に正社員の場合は雇用契約の就業時間に関する内容は以下のようになります。
正社員の場合は、採用に関しては本部の人事部が行います。
会社により年間休日や勤務時間数が決められています。厳密には社内就業マニュアルにより各社にそれぞれ違いはあります。
ですがこの3点に関してはドラッグストアに正社員として勤務する上では共通となります。
例えば週40時間が勤務時間としてマニュアルで決められている場合は、一ヶ月では最低160時間は店舗で働くことになります。1日当りで計算すれば、1日8時間勤務すれば週5日の勤務、公休2日がベースとなるわけです。
入社する時点で会社から働く時間がある程度決められているのが正社員の雇用契約の内容となります。
続いてパート・アルバイトに関して見てみましょう。
パート・アルバイトの採用の場合は店舗の責任者が採用の決定を行います。
応募者の希望する勤務時間と、店舗の不足している時間とを照らし合わせて契約を行っていきます。
正社員との違いは応募する店舗の状況にもよりますが、ある程度自分の都合に合わせて勤務時間を決められるという点です。
極端な例ですが、例えば週に1回だけ午前中2時間だけ出勤する!という条件でも、店舗さえ了承すれば契約することができるのです。
雇用契約期間も半年ごとや、1年ごとに契約更新を行う会社も多いです。
パート・アルバイトにとっては契約更新の際には、勤務時間を増やしたり減らしたりの相談を店舗側とする良い機会にもなります。
契約が異なる→生活環境が異なる
正社員とパート・アルバイトでは雇用契約の勤務時間が大きく異なります。これをさらに深掘りすると、生活環境が大きく異なるという事がわかってきます。
一例として
1日に店舗で週5日8時間勤務する正社員と、週2日で1日4時間働くアルバイト。
この勤務時間だけでも2人が全く違う生活を送っていることが想像できます。
ドラッグストアは正社員、パート、アルバイト様々な人たちが働いています。
正社員同士でも社歴も年齢も人によって全然違いますし、パートやアルバイト同士でも生活環境は全く人によって違います。
フリーターのパートと、子育て中の主婦の方だと働き方もおそらく全然違ってきますよね。
誰でも働きやすいドラッグストアだからこそ、これだけ色々な人たちが集まることができるわけです。
生活環境が異なる→価値観が異なる
生活環境が異なるということはもっと細かく定義すれば、1日に時間をかけていることが大きく異なるということです。
正社員はやはり店舗の仕事が生活のメインになることが多いです。働く時間数も契約的にも長いので、物理的にそうなりやすいです。
店舗での仕事が時間的には生活のメインになるので、基本的には仕事を優先することも多少あるかと思います。
パートでも契約上働ける時間を目一杯働く方もいますし、ショートタイムで働く人もいます。ダブルワークの方は別の仕事をメインにしてる方もいます。
学生バイトの方はどうしても学業が本分ですので、学校が忙しくなればどうしてもバイトは休みがちになることもあります。
何が言いたいかというと・・・1日の時間の多くを何に使うかは人によって異なる、つまり店舗で同じように働く従業員価値観でも、ひとりひとりの価値観が全く違うということです。
少し語弊があるかもしれませんが、仕事に対する熱意といってもいいかもしれません。
仕事上のひとつの目標に対しても従業員が全員同じ感覚では捉えていません。
これはあくまで例です。パートさんの中でも店舗の誰よりも仕事に対して熱心な方もいましたし、逆に正社員でもやる気が全く無い方もいます。
あくまでここで言いたいことは、店舗の従業員はそれぞれが全く異なる価値観を持っていて、その上で生活の一部として仕事をしている、ということです。
働く上でこの事は前提知識として知っておかなければなりません。
ドラッグストア正社員が直面しがちな悩み
仕事をしていると様々な悩みが発生します。それはドラッグストアにおいても同じです。
悩みの根本の原因は人それぞれ異なりますが、「店舗の従業員はそれぞれ全く異なる価値観を持っている」ことにより発生する悩みがあります。
こういった悩みってよく耳にしますし、実際に現場で働いているとこういった事も発生することもあります。
でもこの根本にあるものは、従業員の価値観の違いだと私は思っています。
原因がわかっていればある程度の対策を打つことができます。それに価値観が違うということを前提にしておけば、精神的にも一喜一憂しなくて済みます。
各それぞれの悩みについてもう少し詳しく深掘りしてみましょう。
パート・アルバイトお休みが多くてシフトの不足が多い
例えばこの悩みに関しては、生活環境の違いと仕事に対する意識の違いが根本の原因です。
正社員の場合は時間的にも仕事が生活のメインになります。しかしパート・アルバイトは必ずしもそうではありません。
家庭であったり、学業であったり、ドラッグストア以外の本業であったり。人によって生活のメインは異なります。
となると、どうしても時期によってはパート・アルバイトの休みが多くなります。
人それぞれの生活環境を事前にある程度把握しておいて、不足時期には予定が空いていそうな別の従業員に助けてもらうことも必要になります。
業務内容がパート・アルバイトと変わらない
業務的には正社員もパート・アルバイトと同じ業務を担当することも多いです。それを続けているとだんだんこういった悩みが出てきます。
この場合は正社員自身が意識を変える必要があります。本来は店舗にとって必要な業務は誰が行っても良いはずです。
正社員が、「正社員はこの業務はやらない、パート・アルバイトがやる業務だ」という考えに固執してしまうとこういう悩みが生まれてしまいます。
しかし前述したように店舗の従業員の過半数がパート・アルバイトです。その環境に長い時間いるとだんだんと考えが固執していってしまうんですよね・・・。
パート・アルバイトが指示に従ってくれない
本部から指示がきました。正社員にとっては本部の指示は絶対なので優先順位は必然的に高くなります。
しかしパート・アルバイトからすると店舗が全てです。普段仕事をする上では本部側と直接関わることって正社員に比べると少ないですからね。
そうなると同じ本部の指示でも受け取り方が変わってきます。パート・アルバイトの業務指示に対する反応が、正社員からすると熱意が物足りない。
正社員からすると、もう少し熱意を持って取り組んで欲しい→いまいち満足できるレベルでやってくれない、となってしまいます。
会社員の役割について
正社員、パート、アルバイトに関わらず店舗従業員はそれぞれ異なった価値観を持って仕事をしています。
この違いから正社員の仕事を導き出すことができます。
正社員の仕事について根本的に理解できていれば、前述した悩みがそもそも発生しづらい精神面でいることができます。
しかし正社員の仕事の前に、まず「そもそもの会社員の役割」を理解しておく必要があります。
会社員として働く事については別記事に詳しく解説してます。深く知りたい方は見てみてください。
結論として会社にとって、会社員の役割は2つです。
それぞれ簡単に解説します。
【定量目標】利益を出す
まず定量目標というのは数値目標のことです。売上目標などがそれに当たります。目標の数字に対してどれだけの数字を達成できたかで最終的な評価ができます。
会社というのは経済活動を通して利益を出す為の集団です。利益を出さないでいいのであれば、それはボランティア活動になります。
会社の掲げるビジョンに同意して入社した以上は、「利益を出す」という会社そもそもの存在目的を達成するために協力しなければなりません。
【定性目標】会社の掲げる理念を達成する
定性目標は目指すべき状態、またその過程のことを指します。
具体的には会社の経営理念だと思って頂いて大丈夫です。「私たちはお客様の生活に幸せを提供します!」みたいなやつですね。
利益を求めつつ、会社に勤務する正社員はどのような姿勢・心構えで仕事をするのかが重要です。
会社員は、会社の掲げる理念に共感して、会社の示す方向性に従って仕事を行うことが必要になります。
ドラッグストア正社員の役割
ドラッグストアには価値観が違う従業員が働いています。
そして正社員には、そもそも会社員として達成しなければならない2つの役割があります。
- 利益を出す
- 会社の掲げる理念を達成する
以上のことからドラッグストア正社員の役割は以下の2つだと説明できます。
それぞれを細かく解説していきます。
会社の方針を肯定的に理解する
会社は利益を出す為に様々な施策を打ち出します。その施策にはそれぞれ会社の特色がよく現れています。
正社員は会社の理念を達成することも役割のひとつです。会社の施策には、その会社の方針をもとに作られます。
まずは施策を確実に行う事、そしてその背後にある会社の方針を理解する必要があります。
そしてできてば会社の方針は肯定的に捉えられた方が良いです。何でもかんでも賛成しろ、ということではありません。
会社の方針を達成するにはこの施策はどうなのか?もっと良い方法はないのか?と行動に繋がるように前向きに捉えるという意味です。
前向きに捉えることの必要性は次で説明します。
理解した方針を店舗に浸透させる
前述したようにドラッグストアの店舗には価値観が様々な人たちが勤務しています。
そして従業員の割合としても8割近くがパート・アルバイトが占めている店舗がほとんどです。
店舗の大多数がパート・アルバイトを占めているので、誰かが店舗の目指すべき姿を指し示さないと、それぞれが別々の方向に仕事をしてしまいます。
この役割をこなすのが正社員です。
正社員は店舗の8割を占める従業員に、会社の方針を理解させ実際に行動に移してもらう必要があります。
その際に会社の方針を肯定的に捉えられていた方が、店舗の従業員に説明する際に説得力が増します。
正直言うと会社の情報を正しく受け取って理解ができて、店舗にその方針を浸透させることができれば、この役割は必ずしも正社員である必要はありません。
ですが店舗という組織において、会社は正社員にこの役目を任せる事が多いです。
正社員として働く上でこの役割は避けて通れないと思ってください。
任されている役割を理解できていれば、たとえ悩みが起きても前向きに解決策を考えることができます。
役割を全うする中で自分なりのやりがいを見つける事ができれば尚良いですね。
ドラッグストアにしかないやりがい
ドラッグストアが他の小売業と大きく違う点は医薬品を取り扱っていることです。
そもそもドラッグストアの社会的な使命は、地域のセルフメディケーションに対する意識を増進させて地域の方の健康寿命を延ばすというものがあります。
お客様の健康、命に関わる小売業であるという大きなやりがいがあります。
セルフメディケーションについてはこちらのサイトがわかりやすいです。気になる方はチェックしてみてください。
ドラッグストアは医薬品も勿論ですが、今やサービスの範囲は医薬品だけにとどまりません。
化粧品や日用雑貨品、今や食品の取り扱いも当たり前になってきています。
食品に関しても生鮮食品まで取り扱う会社も増えてきて、さらには弁当やカフェまで併設する店舗も現れてきています。
地域の方の健康から食生活まで日常生活に幅広く関わり、ドラッグストアは地域に欠かせない存在となっています。
市販薬・調剤薬局の専門性+化粧品・雑貨・食品の幅広い利便性
これこそが他の小売業にないドラッグストア唯一無二の魅力です。
【最後に】ドラッグストアは地域の方の為に営業している
ここまででドラッグストアの正社員の仕事の本質的な部分的を解説させて頂きました。
正社員は自分の所属している会社が達成しようとしている目標を理解する事が重要です。
そして会社の施策は、会社の目標達成に向けてのアクションです。正社員は施策が実際の店舗で機能するよう努めましょう。
また今回の記事ではドラッグストア自体の存在価値についてもお話させて頂きました。
今やドラッグストアの地域の方への貢献は健康、美容にだけでは止まりません。日常生活に関わる多くの商材を取り扱い地域の生活に欠かせない存在になっています。
大切な事はドラッグストアの仕事は、地域の方の為に向けて行なっているという点です。会社の施策は、最終的にはお客様の日常生活をより良いものにする為に考えられます。
店舗で働きお客様と直接関わる従業員ほど、その事を強く意識する事が必要です。
そして正社員は、自分だけでなく店舗の従業員にもその熱意を伝播させましょう。
この気持ちを胸に持っているだけでも、毎日の仕事に対する捉え方はぜんぜん変わってきます。
これからドラッグストアで働く方は、考え方として是非とも覚えておいてください。
もっと具体的な業務内容を知りたい方はこちらの記事で細かく解説してます!是非ご覧ください。
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