ドラッグストアの仕事内容の解説記事
こんにちは、ふくのしまです。今回の記事ではドラッグストアのリアルな仕事内容をお伝えします。
この記事は以下の方へオススメです。
- ドラッグストアで働いてみたい方
- ドラッグストアの仕事内容を知りたい方
ドラッグストアへの就職を検討してる方は、この記事を読むだけでドラッグストアの仕事が自分に合うか判断できます。
何故そう言えるのか。まずは私の経歴を紹介させてください。
私は現役のドラッグストア正社員で10年ほど店舗勤務しています。店長経験はもちろん、医薬品や日用雑貨品、さらには食品と化粧品まで担当した経験もあります。
店舗異動も多いのが小売業です。駅近立地店舗から郊外立地店舗、店舗面積も大小様々な店舗を経験させて頂きました。
現在は店長こそ降りましたが、今も店舗の月間シフトやデイリーワークシフトの作成業務を行っています。
シフト作成はスケジュール管理ともいえます。店舗運営で必要となる業務、それぞれの業務の内容、必要な人時数、従業員の力量。これら全ての把握が必要です。
スケジュールの管理がうまくいかないと、店舗作業は滞ってしまいます。
私は様々な種類の店舗でワークスケジュールを作成し、ドラッグストアの業務について試行錯誤を繰り返し学んできました。
その結果、今では店舗の売上規模と売上構成、働く従業員の方達の様子から、適切にスケジュールを組めるようになりました。
そんな私だからこそできる解説記事となっています。業務を構造的に分解し解説します。
今回の記事はかなり長いです。なぜなら就職や転職を検討してる方向けだからです。
職を決める、と大きく環境が変わります。環境が変わる、ということは生活も大きく変わります。生活が変われば人生も変わります。
人生の分岐点の選択には多くの情報が必要になると思ってます。就職に悩まれてる方が自分の決断に後悔しないためにも、この記事の情報量はかなり多くなってます。
その点ご了承ください。
※「ドラッグストア」と「薬局」は定義が違います。今回は「ドラッグストア」に関してです。
ドラッグストアの仕事内容は「肉体労働」がメイン
ドラッグストアの業務は2つの種類にわけることができます。
「固定業務」と「変動業務」です。
固定、変動に関わらず大半の業務は肉体労働となります。一部が知的労働となります。これは私の完全な主観です。しかし私の10年間の店舗勤務経験からの主観なので、ある程度の説得力があるかと思います。
ふくのしま流の「肉体労働」と「知的労働」の定義も決めておきます。
どういった業務が該当するのか具体的に見てみましょう!
ドラッグストア仕事内容・・・「固定業務」について
「固定業務」に該当する業務は以下になります。
ひとつずつ細かく解説します。
①レジ接客(肉体労働)
いわゆるレジ打ちです。ドラッグストアの場合は、時間毎にレジ担当が割り振られます。
レジ接客は主に3種類あります。
レジ接客はマニュアル化されてるので誰でもできます。ですがお客様が最後に接客を受ける場所で、店舗の印象を左右しやすい業務でもあります。
重要な業務ですが、実際はパート・アルバイトが担当する機会が多いです。お褒めの言葉、クレームのどちらも受けやすい業務です。
あと肉体労働です。立ちっぱなしで、レジ用語を喋り続けるのは意外と体力を使います。客数が多いと尚更です。
②売場接客(肉体労働)
来店されたお客様へのレジ接客以外の全般的な対応です。
お客様次第なところがあり若干変動業務の側面もありますが、出勤して発生しない日はありません。なので固定業務として紹介します。
売場接客は主に2種類あります。
こちらは全従業員が担当することになります。簡単なものであればアルバイトでも対応できます。
ですが商品知識など専門性が高い問い合わせには、社員やベテラン従業員が対応することが多いです。一部の人に負担がかかりやすい業務です。逆に新人の方からすると必ず聞ける人がいるので安心できますね。
また推奨販売という接客業務も存在します。
単品で売りたい商品を決めて積極的にこちらからお客様にオススメしていくことです。これも全従業員が基本やることになります。
固定業務の中では、この業務に費やす時間は比較的少ないです。
③品出し(肉体労働)
商品棚に商品を並べる業務です。
品出しは主に2種類あります。
商品が売れると発注がかかります。納品された商品を売場に陳列する業務は基本ドラッグストア従業員で行います。
全従業員が担当して優先的に行われる業務です。売場知識と慣れが必要な業務で、完了までのスピードにかなり個人差が現れます。
また売れ筋商品は品切れを防ぐために、発注を多めにかけて在庫として保管してある場合があります。
商品が売れて商品棚の商品が減ってきた場合に、そういった店舗在庫を商品棚に陳列しなくてはなりません。また在庫の整理整頓も必要です。
食品が売れる店舗は品出し業務が過酷です。品出し完了して1時間後には棚の商品が少なくなっていることがあります。品出しの無限ループです。覚悟しておいてください。
④事務作業(肉体労働50%、知的労働50%)
主にパソコンを使っての作業です。売場ではなく店舗事務所で行うケースが多いです。
ここでの肉体労働とは、たんなるルーチンワークのことを指します。精算などマニュアル化されている事務作業も多く存在します。
大まかには以下の業務があります。
こちらの業務は清掃を除いては、社員が行う機会が多いです。
ですが大体がマニュアル化されているルーチンワークなので、店舗によっては業務の一部をパート・アルバイトでも行うケースもあります。
また各部署からの連絡・指示に関しては、社員が情報を仕入れパート・アルバイトの方に伝えてやってもらう、というパターンもあります。
さらに知的労働として売上分析があります。社員の方はここに時間をかけることができたら素晴らしいです。
店舗の課題を数字から分析して、改善案を検討し、従業員に実行させる。立場的にも上の者が行った方がスムーズです。
ドラッグストア仕事内容・・・「変動業務」について
「変動業務」に該当する業務は以下になります。
こちらもひとつずつ細かく解説していきます。
①売場管理(肉体労働70%、知的労働30%)
売場全般に関わる業務です。社員、ロングで入るパートさんが携わることが多いです。
一度担当を任された場合、固定業務といってもいいくらいに売場業務を行うことになります。
ただ売場管理業務は季節やチラシの有無にも業務の割合が大きく左右され、店舗従業員全体の売場管理体制によっても大きく異なってきます。
職場環境により業務が発生したり、しなかったりなので変動業務に入れてます。
具体的な内容は以下になります。
マジか…って思う業務量ですよね。
安心してください。これら全てを毎日行うわけではありません。日によって発生する業務、発生しない業務わかれます。
- チラシがある週は、プライスカードの確認業務や、チラシ品の売場作成の業務が発生する。
- ドラッグストアは春と秋に大幅な売場変更時期がある(定番棚替え)
- 月毎に販促や売場指示があるので、指示に合わせて売場変更をします。
このように各業務には発生する時期がある程度決まっています。日々の発注業務も曜日毎に発注部門が定められているケースもあります。
時期が決まっているので、完了させる為の計画を事前に練ることができます。
計画を練ることは知的労働です。これができる人できない人で、売場管理レベルに大きく差ができます。計画で全て決まるといっても過言でないと私は思ってます。
計画を練る上では、店舗全体のバランスを考えなくてはなりません。店舗の売上構成によって、担当売場毎の必要な時間は変わります。
1日に100点売れる売場と、1日に10点売れる売場。どう考えても前者の方が売場管理の時間必要ですよね。
ただ前述したように、この業務は不定期な部分があります。朝に大きな売場変更指示がきたりとか。商品の分類毎に指示は分かれて降りててきます。
例えば医薬品部門だけに、午前中に急に売場変更指示がきたとします。期限は本日中です。担当社員のAさんは、仕事の難易度的に2時間ほどは時間がかかりそうだと判断しました。
しかしその日はAさんにも固定業務(レジ、事務作業等)が割り振られていて、自由に使える時間が1時間しか残されていませんでした。
当日中期限の指示なんてのは解説の為の極端なケースですが、似たり寄ったりなことはよく起きます。この場合Aさんはどうしたらよいでしょうか?
この場合Aさんは不足している1時間の作業時間をどうにかして捻出する必要があります。
具体的な方法として、Aさんの固定業務1時間分を他の従業員に代わってもらう、もしくは1時間分は他の従業員に手伝ってもらい複数人で業務を行う、という方法があります。
他の従業員にも当然固定業務は割り振られています。なので誰になら頼めるか、普段から自分以外の従業員の仕事を把握している必要があります。
また把握しているだけでなく、実際に業務変更の交渉を店舗従業員に行わなければなりません。
結局のところ何が言いたいかというと…この業務、意外とコミュニケーション能力が必要なんです。
自分以外の従業員の状況把握、そして周囲への交渉。この業務においては特によく発生します。
これらをスムーズに行うためには普段から従業員同士コミュニケーションをとり、最低限の人間関係は築いておかなければならないということです。
商品知識やセンスばかり注目されがちですが、実際コミュニケーション能力(調整力)は超重要です。
②本部指示(肉体労働80%、知的労働20%)
ここからはサクサクいきます。
基本的には店舗は本部から指示に従って業務を行います。売場管理でもすこし触れました。
商品部、経理部、人事部、営業本部など。あらゆる部署が店舗に指示してきます。
どの部署からの指示にも、基本共通して2パターンあります。
指示はどちらにしてもやらないといけないのが前提です。
企業によって指示を発信する時間、頻度は決まっていますので、指示をもとに業務計画を練ります。
厄介なのは突発的な指示です。思いもよらない指示が急に店舗にくることもあります。
商品異物混入が発見された等、重要度も高い為に他の業務を中断して行う必要があります。
③クレーム対応
お客様からクレームを頂いてしまった場合は即時対応、最優先での対応になります。
肉体労働、知的労働とかいってられない状況です。接客業ですので、私たちの仕事の主導権はお客様にあります。
店舗対応によりお客様に迷惑をかけた場合、店舗はそのリカバリーをしなくてはなりません。
実際にクレームを頂いてしまった場合の対応としては以下になります。
ただお客様対応するだけではないということです。
お客様対応するためには、本部と相談して足並みを揃えなければなりません。
本部との調整は時間がかかることですが、クレーム対応はスピードが重要です。この矛盾により、実際クレームが起きるとかなり焦ってパニックになりがちです。
お客様の反応によっては一回の対応では終わらない可能性もあります。
お客様対応が完了したあとも、本部に終了報告が必要です。またクレームを再発させないためにも店舗従業員への周知も必要です。
クレームが起きてしまった場合は、その日の業務はすべてクレーム対応に費やさなければいけないと思いましょう。
④各種研修(知的労働)
ドラッグストアは店舗運営の為に必要な資格が色々とあります。
また本部からの様々な研修もよく開かれます。
数ヶ月にあるかないかにはなりますが、ひたすら知識を詰め込める貴重な機会になります。
ドラッグストアに向いている方
業務内容について細かく具体的に解説してきました。
今度は業務内容からみて、ドラッグストアの就職に向いている方を解説します。
解説の前に…
今までの解説からわかるように、仕事の大半は肉体労働となります。最低限の体力はどうしても必要となります。
立ち仕事、シフト制勤務など小売業特有の働き方が大丈夫というのは大前提です。
ビジネススキルに自信がない方
業務の大半は固定業務が占めています。固定業務はマニュアル化されているルーチンワークがほとんどです。
つまりマニュアルに従えば誰でも業務はできるようになります。初めてアルバイトする高校生でも、数ヶ月経つと固定業務は難なくこなしています。
また業務で困った時に必ず頼れる相手がいるという点も、自信のない方にはオススメできるポイントです。
ドラッグストアの営業には、必ず登録販売者か薬剤師が常時ひとりは勤務していなくてはなりません。これは法的に定められてます。
また法的に医薬品の接客はこれらの資格を持っている者しか行ってはいけないとなっています。
資格的な関係で社員が常に店舗にいる勤務体制が多いです。パートのみでシフトをまわす事もありますが、その際パートの誰かは資格持ちです。
社員もパートも時間帯の店舗運営を任されてる従業員は、お客様からの問い合わせはもちろん、営業に必要な業務はたいてい習得してます。
つまりお客様からの問い合わせに困った際に、新人は必ず身近に質問できる誰かがいるということです。
変動業務の知的労働についても同じことがいえます。
新人はまずは固定業務から習得していきます。その後に変動業務を学んでいく流れになります。
変動業務の知的労働にも必ず会社独自の手法が存在してますし、店長ならばその手法を知っています。
店長は店舗にいる機会も当然多いです。現場で店長の分析手法も見ながら学べるということです。
現場での学習は学びの吸収スピードも早く、また繰り返し何度も学習できます。物覚えが遅いなという方でも安心して大丈夫です。
コミュニケーション能力に自信がない方
売場管理の項目でも触れましたが、業務全般にコミュニケーション能力はどうしても必要です。
この仕事は個人プレーのみで完結できません。営業中ずっとひとりで働き続けることなんてないですよね?
シフト制であるがゆえに、必ず引き継ぎが発生します。自分がしなくても相手がしてきます。それ以外の業務においても引き継ぎ、報連相を行われる機会は頻繁に発生します。
必然的にコミュニケーションを取らざるを得ない状況が多々発生するわけです。
乱暴な意見かもですが、コミュニケーション能力に自信ない方でも回数をこなしていけば慣れてきます。自然と仕事に関する話ができるようになってきます。
最初は訳もわからずコミュニケーションをとっていても、それを毎日続けていくと自分なりのコミュニケーション術みたいなものができあがっていきます。
私ふくのしまも、極度の人見知りでした。人が複数いると黙っちゃうタイプでした。
しかし業務上で黙っていられない場面を何度も経験してるうちに、自然と人見知りが改善されてました笑
従業員の皆とコミュニケーションとれるかな?と不安の方。意外と大丈夫です。習うより慣れろ、の日常で克服できます。一緒に働く仲間は親切な方多いです。
仕事の安定収入を得たい方
ドラッグストア業界自体が景気に左右されづらく安定しています。それはコロナ禍においてもそうですね。
各社の新規出店傾向も未だ増加していて、市場的にもまだ伸びると予測されています。
市場が伸びるということは、人手が必要になるということです。特に店舗をまわせる人材は重要です。
店長を目指せとはいいません。店舗運営に必要な業務を習得できればいいんです。固定業務と変動業務です。
散々解説したようにマニュアル化されています。経験無い方でも決して難易度は高くありません。
そしてできればもうひとつ!
登録販売者はドラッグストアを営業する上で必ず必要な資格です。
この資格を持っていて、かつ店舗をまわせるようになるだけでも存在価値が生まれます。
この資格は国家資格に該当します。資格試験に合格しなければならないので、勉強は必須になります。
専門知識が多く不慣れな方にはつらい勉強になりますが、そうしてでも取得する価値はあります。
これ持ってると社員としても勿論、パートとしてもドラッグストアでの勤務を検討した時、採用されやすくなるんですよね。このご時世は働き方は正社員だけではないです。
雇用の安定は収入の安定です。その為にも資格は取得しましょう!
登録販売者は本当にオススメの資格で、こちらの記事で力説しています。
ドラッグストアの仕事内容に興味が持てた方へ
私の見解ですが、最近ドラッグストアへの求人応募が実際増えたなと思います。コロナ禍においては特にです。
伸び続けてるドラッグストア市場ではありますが、どうしても採用の枠には限度があります。
もしドラッグストアで働く事に興味が沸いたなら、まず早めに行動をすることをオススメします。
就職・転職のオススメ方法を幾つか紹介しておきます。よかったら参考にしてください。
社員として就職・転職を考えてる方へ
オススメは就職・転職サービスを利用する事です。
理由としては以下になります。
オススメする理由として共通するポイントは、「自分でイチからやるより時間がかからない」という点です。
就職・転職の方法としてもうひとつ、各企業のホームページの求人情報から応募する方法もありますが、あまりオススメしません。
これら各企業毎にやっていると、かなりの時間がかかるからです。
様々な求人情報を自分で探し、申し込みを行う。履歴書の書き方や、面接対策も自分で行う。
これイチから全部調べながらやると結構時間かかります。特にすでに社会人の方は、時間的に厳しいのではないでしょうか。
就職・求人サービスはそれらを一括してやってくれます。自分の探している条件の求人情報を簡単に集められるだけでも価値があります。
サービス利用が無料というのが助かりますね。下に紹介するようなサイトよく見かけますよね。
こういった転職サービスにはキャリアアドバイザーというサービスがあります。
実は私も使用した事があります。仕事に疲れ果て病んでいた暗黒期にですね笑
このサービスは就職や転職に関する悩みの相談に乗ってくれて、かつサポートしてくれます。面接の心配点から、履歴書の書き方。さらには面接のフィードバックをもらえる場合もあります。
私は仕事に疲れ果て病んでた時期に転職の相談にのってもらいました。ただ仕事から逃げたいだけの当時の私の話を親身に聞いて頂けました笑
それで相談結果としては、もう少し今の仕事を続けてから検討しよう、とのアドバイスを頂きました。グイグイと求人を紹介してくるのではなく、あくまで相談者の状況を客観的に判断してくれます。
もちろん就職・転職に必要な実践知識も教えてくれるので、時間が限られてる方こそ相談サービスを使うのはありだと思います。
これも無料なのでよかったら使ってみてください。
パート・アルバイトでの勤務を検討してる方へ
もし働きたい店舗が決まっているのなら、オススメは店舗へ直接電話での問い合わせです。
そもそも求人募集中なのか、面談日の設定や待遇、電話一本で全て完了します。
求人情報誌だとタイミングによって応募した時にもう採用枠が埋まってるケースもあるんですよね。
働く上で気になってる細かい点も、店舗の担当者に直接質問できる利点もあります。
働きたい店舗が決まってない、勤務条件・待遇を複数比べて決めたい、という方は求人情報誌がオススメです。
最後に
長くなりましたがありがとうございました。ここまで読んで頂いた方は、ドラッグストアへの就職志望度が本気なんだと思います。
もっと詳しく聞きたいことあれば、質問頂ければわかる範囲でお答えします。
今回は「仕事内容」という視点からドラッグストアを解説しました。
今後は「職場環境、コンプライアンス」や「業界全体の動向」からみるドラッグストアのオススメポイントも解説しようかと検討中です。
もし気になる方いましたらコメントください。
併せて「会社で働く」というそもそもの部分を解説した記事もあります。宜しければご覧ください。
ドラッグストアへの具体的な転職のプロセスはこちらをご確認下さい。
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