こんにちは。夫婦揃ってドラッグストア共働きのふくのしまです。
今回の記事ではドラッグストアの店長になる為に、必要な事を私の経験踏まえてお伝えします。
完全に私の主観になりますが、ドラッグストア業界未経験の社員が0からスタートした場合は店長になるには5年ほどはかかります。
人によってはもっと早い、遅いはあります。私は7年くらいかかりました。同期では3年で店長になった人もいました。
周りの平均が大体5年くらいかな、という感じです。
簡単に私の店長になるまでの経歴をザックリ載せます。
1年目…新入社員時代。業務はレジ打ち、品出し等の業務。アルバイトとほぼ変わらない。途中から売場担当を持つ。
2年目…売場担当が主な業務。品出しや発注、売場作りもどんどん行う。初めての異動も経験する。
3年目…売場担当。店舗の1日のワークスケジュールを立てる業務を経験する。他の売場担当のパートのフォローをする機会が増える。
4年目〜5年目…副店長。店舗の月毎のシフト作成を担当し始める。1日のスケジュールは完全に担当になる。
6年目…副店長。店舗のシフト管理をする。パートやアルバイトに作業指示を出す機会が増える。本部側とのやり取りを経験する機会も増える。
7年目…店舗運営に関する基礎的な事は一通りできる状態。
7年目の終わり頃に店長に昇格。
少しずつ業務を覚えていき、店長に昇格する事ができました。
私の場合は途中で会社の吸収合併があったり、体調を悪くした時期もありました。それらは店長昇格を遅くした要因かもしれません。
一見順調に仕事を覚えて店長になったように見えるかもしれません。ですが実際に店長をやってみて知らない事も沢山出てきて最初は苦戦しました。
どの能力が不足しているか。こればかりは店長を経験してみないと分かりません。
ですが、店長に昇格する為に最低限押さえておかないといけないポイントはあると私は思っています。
多くの同期や周りの先輩後輩を見てきた統計のようなものです。
今回は店長になるために必要なポイントを解説していきますので、店長になりたいと気持ちがある方は参考になるかと思います。
私の体験も載せて解説します。是非最後までお読みください。
登録販売者の資格を取得する
登録販売者資格の取得はドラッグストアの店長になる為には必須です。
毎年行われている登録販売者試験に合格する。さらに実務経験を積み、資格者に選定できる条件を満たす必要があります。
厳密に言えば、店舗に登録販売者が十分にいれば店長が資格を持っていなくとも営業は可能です。
保健所には登録販売者のトップを管理登録販売者として届け出ていればオッケーなのです。管理登録販売者は必ずしも店長である必要もありません。
「じゃあ医薬品は資格持ってる人を採用するなりして、自分は店長として管理すれば良いってこと??」
それは違います。行政的にはオッケーです。ドラッグストアの運営する仕組み上は可能ですが現実的には不可能です。
なぜならドラッグストア企業は資格者でない人間を店長に任命する事は無いからです。
10年以上ドラッグストアの現場で働いている私が見てきた限りでは、資格を持っていない社員が店長に任命される事はまずありませんでした。
店長の仕事のひとつに部下の教育があります。店長が医薬品の接客対応の指導が出来ないという事は店舗にとって不都合な事も多いですよね。
またドラッグストアの営業中は医薬品を販売するためには、どの時間帯も必ず1人は登録販売者(若しくは薬剤師)の資格を持つ者が勤務していなくてはなりません。
資格者がいなければ医薬品販売を一時中断して営業する事も可能です。ですがドラッグストア各社はその状態を作らないように資格者を配置しています。
医薬品販売をしない時間なんてまず作りません。そういう背景からも勤務時間が多くなる社員、ましてや無資格の店長を店舗に配属する事なんてあり得ません。
【経験談】泊まり込みの登録販売者試験
私の経験談をひとつお話します。私は登録販売者試験は入社2年目の冬に受験して合格しました。2年目の秋に一度受験して落ちています。
社会人2年目の私は勉強に関してはかなり不真面目でした。仕事が忙しくて余裕が無かった事もありましたが、とにかく勉強の意識が低かったです。
「今年ダメでも来年頑張ればいいか」と、かなり甘えた考えをしてました。
当時の登録販売者試験は秋頃に行われる事が多く、私は住んでいた関東圏で1度目の受験をしました。
ほぼ無勉です。当然点数は振るわず不合格でした。
「まぁ、そりゃそうだよね。また1年後に頑張ろ」
のほほんとそう思ってた矢先に、エリアを統括するマネジャーから連絡が入ります。
マネジャー「中部地方で年明けに登録販売者試験があって応募がまだ間に合う。お前、申し込んで受けてこい。」
私「え!?でも全然遠い地域だし…」
マネジャー「泊まるなりして行くしかないなぁ。」
マネジャー「とにかく!!お前は早く受かんないとダメだ!!次も落ちたらヤバいからな!!」
私(えぇ〜…)
半ば脅迫のような電話です。私はまた来年受ければいいや、と思ってました。しかし会社からすれば資格者の確保は最優先です。
資格を持っているかどうかで異動先の選択肢も増えますし、それこそ店長候補は多い方が良いですからね。少しでも早く資格取得させたい、強烈な熱意を感じました。
結局私は自費で泊まり込みをして、猛勉強の結果もあり中部地方で合格する事ができました。
会社側の資格取得に対する姿勢を自身の肌をもって体感できたエピソードだと思っています。
店舗で経験を積む
資格を取得後、若しくは資格取得を目指しながら、店舗で実際に勤務する経験は必ず必要です。
ここで言う「経験を積む」とは仕事に慣れる、スキルを磨くという意味です。
前の項目でもお伝えしたように登録販売者の管理者になる為には、長い期間ある程度のまとまった労働した事実が必要になります。今回の項目でお話しする事は、そういう事ではありません。
店長として働く上で必要な仕事のスキルを、店長になる前にある程度学んでおかなければなりません。
店舗運営の流れ、社内マニュアルの把握、各トラブル対応など店長になる前に習得したい事は幾らでもあります。
正直言ったところ、店長になった後に初めて体験する仕事の方が圧倒的に多いです。いくら事前に勉強していても実際に体験すると全然過去勉強した事が役に立たない事もあります。
店長ですら様々なトラブルを通して勉強をしていく事が多いんです。だからこそ店長になる前に、初めての仕事やトラブルを経験して解決するという事に慣れておくべきです。
自分で問題に立ち向かう度胸をつけておこう、という事ですね。ずっと受け身の姿勢で仕事をしていて、急に店長になると本当に苦労します。
店長に指名されたその日から受け身ではいられなくなります。自主的に判断する毎日の連続になります。
まだ店長になる前の方は、日頃から主体的に考えて他人事で仕事をしない姿勢を身につけておく事が重要です。
自分で考えたり、調べたりする前に「店長!これってどうすればいいんですか?」と反射的に聞いたりしてませんか?
私が店長になる前に担当していた業務
私の場合は副店長の段階で店舗運営に関わる業務は大体全て経験させてもらっていました。
まず売場の担当業務です。これは正社員であればどの方も自然と経験するかと思います。
私も主に医薬品や日用雑貨、食品の売場は一通り経験させて頂きました。日頃の商品の発注や品出しを適宜行い、季節毎の売場展開を計画して実施します。
商品によって売れ方にも差があって、この売場業務は私的には楽しい仕事でしたね。
最初のうちは何も分からず各売場担当のベテランパートさんに色々教えてもらいながらやっていました。丁寧に教えてくれた皆様には今でも感謝しています。
そうこうして売場仕事に慣れてきて自分の売場を管理できるようになった後は、今度はパートさんが持っている売場のフォローをしたりするようになります。
パートさんの売場計画を一緒に考えたり、時にはアドバイスしたり。パートさんの売場作業が滞っている場合には、一緒に手を動かして手伝ってあげたりもしました。
新人時代にお世話になった分、今度は自分がフォローする側に回ります。
こうして他の人の仕事にも関与していくうちに、いつの間にか店舗全体に関与していけるようになり、店舗運営の基礎が身についていきました。
もっと勉強しておけば良かったと思うこと
店長になる前の3年間くらいは店舗のシフト作成も私が行なっていました。予定に合わせて社員のシフトを決めたり、パートやアルバイトの欠員によるシフト調整も行っていました。
シフト管理は非常に時間がかかります。売場担当をしながらは大変でした。しかしシフトの管理は店長になれば必須なので、私はやっておいて本当に良かったと思います。
シフトの調整を通して、従業員に交渉する事を学べました。シフトだけでなく、売場変更の提案や業務改善の提案など、様々な場面で役に立つ事が多かったです。
ただこの副店長時代にもう少し数値に関しての知識をつけておけば良かったと思ってます。
もっと数値を絡めて仕事の話が出来ればよかった、と表現すれば良いでしょうか。
店長の最終評価は売上、利益の数値です。
自分が配属された店舗の数値を見て「人件費が高いな」「店舗構造の割にはやたら医薬品が売れてないな」などの数値判断ができれば、店長としての仕事はもっとやりやすかったなぁと思います。
店長になってすぐに数値改善するように会社から指示があった時は、何をどう手をつけたら良いか分からず苦戦した記憶があります。
その時は上司に手取り足取り教えてもらいました。本来はそれを考えるのは店長の仕事なので、当時の上司には本当に感謝しています。
店舗には色々なパターンがあり、数値知識は一夜漬けで身につくものではありません。だからこそ長い副店長時代にもっと意識して毎日勉強しておくべきだった、と後悔しています。
会社からの評価を得る
この社員ならば店長を任せられる、という会社からの信頼を得る必要があります。
店舗で経験を積む、と似てるようで少し違います。
いくら長い期間を店舗で仕事をしていても、会社から評価されない限り店長には昇格できません。
売上を最終的には上げたい。そのプロセスは会社毎に異なります。
医薬品の販売を強化したい会社もあれば、化粧品をメインにしたい会社もあります。郊外で食品や雑貨を強くしたい会社だってあります。
化粧品イメージを強くしたい会社で1人だけお菓子の販売数アップに力を入れてたら周りから浮いた存在になってしまいます。
いかに会社の方針を理解して、会社が進むと決めた道に貢献できてるかが重要です。
真面目に仕事に取り組んでいれば自然と評価されていく事が多いので、あまり難しく考えなくて大丈夫です。
会社の評価=上司の評価
会社から評価される、とは上司から評価されるという事です。
身近で言うと自店の店長ですね。1番関わり合う事が多く、あなたの性格なども含めて仕事の評価をしてくれる存在です。
さらにその上のエリアを統括している地区長です。ポジション的には本部側ですが実際に店舗で働いていて会う機会が多く、この役職の評価によって店長に昇進できるかどうか決まります。
地区長「最近、副店長の〇〇君はどう?」
店長「よく頑張っていると思いますよ」
地区長「そろそろ店長にするってどうかな?」
店長「うーん、そうですね…」
たまに巡回した地区長と店長は色々な会話をします。その中でポロッとお互いさりげなくこのような会話をします。
店長にどう評価されているかによって、店長に推してくれるかどうかの返答ってだいぶ変わりますよね。
「彼ならもう店長できるレベルですよ!」
「まだ不安なところもありますが、一度経験させても良いかもしれませんね」
「店長になんてとんでもないです!彼の能力だと任せられませんよ!」
店長への昇格が決まるか、近づくのか、遠のくか、上司からの評価がもろに影響します。
普段の態度も見られている
評価と聞くと売上などの数値がパッと思い付きます。勿論、自分の担当売場の数値も評価されます。
ですが意外と忘れがちな評価のポイントは、周囲とうまく仕事の関係性を築いているか、です。
数値は結果を出す、しかしどの店舗でもパートやアルバイトと人間関係のトラブルを起こす。そして結果的に人が辞めてしまう。
店長や会社にやたらと噛み付き自分の意見を通そうとばかりする。社員同士が揉めてしまう為、店舗全体の意思決定に支障をきたす。
こんな社員は評価されるでしょうか?
たしかに数値的には結果を出せます。独創的で革新的なアイデアを生み出せるかもしれません。
しかし店長としてはどうでしょうか?
店舗運営は突き詰めると「ヒト」がいないと成り立ちません。人材の確保、育成も店長の仕事です。
人間関係の構築能力があまりにも低いと、店長任命としての評価は得にくいでしょう。
だからといって全ての人と必ず仲良くしなければならない、なんてことはありません。
必要最低限の仕事のコミュニケーションが適宜取れる関係であれば問題ありません。
私はこの能力が他の社員よりも少し優れていました。どの店舗の従業員とも仕事上の関係性を築く事ができて、必要な時に仕事の会話ができる環境を作れていました。
私は数値改善の能力は疎かったですが、人にお願いして助けてもらう能力は会社に評価されていたのかな、と今では思います。
従業員との接し方もある種の武器となる事を覚えておいてください。
まとめ
今回の記事は店長に昇格する為にはどうすれば良いか、私の体験も踏まえながら解説しました。
簡単におさらいをします。
- 登録販売者の資格を取得して実務経験を積む
- 店舗での実践を通して経験値を積む
- 会社(直属の上司)から評価を得る
こうして箇条書きにしてみると当たり前の事ばかりです。
しかし意外と出来てない人は多いです。特に会社からの評価を得る、に関しては勘違いしてる人が多い印象です。
よく会社の悪口を毎日のように言い続けてる人っていますよね?
悪口を言うだけならまだ良いです。
「この指示はやっても意味なんてない。」
会社の指示にすら従わなくなってしまう人もいます。これではいくら経験を積んでも評価されづらくなってしまいます。
雇われてる人は会社の指示を達成してお給料をもらってる事を忘れてはいけません。
毎日の仕事をひたむきにコツコツと取り組む姿勢が評価されます。
店長に昇格する為には、正しい方向への継続した努力が必要です。これは私が10年の経験から学んだ事です。
ぜひ皆さまも普段の業務をする際に意識してみてください。
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